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第23976話・インスタントラーメン殺人事件
突然ですが【トラバでボケ清水賞】開催のお知らせ。に参加。


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コレは南海の孤島

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵が食べているチキンラーメン

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵が食べているチキンラーメン
同じ会社が作っているカップヌードル

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵が食べているチキンラーメン
同じ会社が作っているカップヌードル
やっぱり同じ会社が作っている出前一丁

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵が食べているチキンラーメン
同じ会社が作っているカップヌードル
やっぱり同じ会社が作っている出前一丁とは
違う会社が作っているチャルメラ

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵が食べているチキンラーメン
同じ会社が作っているカップヌードル
やっぱり同じ会社が作っている出前一丁とは
違う会社が作っているチャルメラ
またまた違うライバル会社が作っている本来は「サッポロ一番味噌ラーメン」であるところの表記が誤っている札幌一番味噌ラーメン

コレは南海の孤島の中に建っている奇妙な館
同じ設計者が設計した雪の山荘で起こった密室殺人事件
解決した名探偵が食べているチキンラーメン
同じ会社が作っているカップヌードル
やっぱり同じ会社が作っている出前一丁とは
違う会社が作っているチャルメラ
またまた違うライバル会社が作っている本来は「サッポロ一番味噌ラーメン」であるところの表記が誤っている札幌一番味噌ラーメンの中に浮かんでいる南海の孤島


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「・・・で、これが? 」

「決まっているじゃないかね、入江くん。奇妙な歌、または詩・・・とくれば」

「見立て殺人ですね、上清水先生」

「ほう。君もなかなかわかってきたようだね。新作の構想だよ」

「一つめの殺人が南海の孤島の中に建っている奇妙な館で起こるわけですね」

「そしてほぼ時を同じくして同じ設計者が設計した雪の山荘でも密室殺人事件が起こる」

「当然その設計者ってあの人ですよね・・・」

「当然だ。そして密室を解いたかに見えた名探偵が死んでしまう。
 推理をしながら食べていたチキンラーメンに毒が盛られていたのだ」

「・・・まあいいでしょう」

「このあたりで奇妙な館と山荘からそれぞれロゼッタストーンが発見され、
 つなげて解読すると冒頭の歌が出てくる」

「それロゼッタストーンじゃないですから。
 ・・・要するに暗号が刻まれた石版かなんかが発見される、と」

「画期的だろう?」

「いえ、まったく」

「入江君、君は私を誰だと思っているのだね? 私はね、上清水だよ?」

「それを世界中でもっとも苦々しく思っているのは私です」

「画期的になるのはここからだよ、入江君。今すぐ日清食品にオファーを取ってくれたまえ」

「何言ってるんです」

「わからないかね?
 この小説はインスタント・ラーメンのパッケージにプリントして配信するのだよ!
 推理小説と非常用食料の融合!
 これさえ携帯していればいついかなるときに
 南海の孤島に取り残されようと雪の山荘に閉じこめられようと安心だよ」

「そのアイデアが画期的かどうかの議論は置いておいてでもですね、上清水先生。
 登場するインスタント食品5つのうち3つは日清食品、あとは明星とサンヨー食品が一つずつ。
 ラインナップのツメが甘すぎます。
 しかも自社商品に毒を盛られる、なんて話をパッケージに刷る食品会社は世の中にありません」

「そうか・・・ラーメンはムリかね。なら仕方がない・・・」

「あきらめましたか?」

「ふむ・・・よし!」

「なんです?」

「入江君、素晴らしい代案を思いついたよ」

「やれやれ」

「ふふふ・・・このラインナップこそが暗号だった、というのはどうかね?

 ”日清日清日清”これをカギとする。日を清らかに、つまり日を三回取り除くという意味だ。
 サンヨーは”サン=sun”と”ヨー”に分解。”明・星・sun・ヨー”から日を三つ除くと
 残るのは”月・生・ヨー”これを並べ替えると”月ヨー生”となる。

 つまり犯人は月曜日に生まれた者だ、ということを暗示しているのだよ、そして・・・」

「そして?」

「そしてこの小説はロゼッタストーンに刻んで読者に配信を・・・」


上清水の脳天に入江のダイビングブレーンチョップがクリーンヒットした。

【トラバでボケ清水賞テンプレ】
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by midnight_egg | 2005-08-24 13:00 | 上清水賞参加作品
ポップアップ・ビーチ
ポップアートの海岸マグカップの明日にTB)

僕はクーラーボックスから

よく冷えたビールを二本取り出すと

ラベルの向きをきちんと揃えて白い塀の上に並べた。



それからリュックをあけて

ポップアップ・ビーチを取り出すと

よいしょ、と地面に押し広げたんだ。


僕の頭上に真っ青な空が広がって

真夏の太陽が照りつける。



白い砂も足の裏を焦がしてる。



僕は冷えたビールの缶を伝う

水の粒を人差し指でつー、とぬぐうと

プルトップをプシュッと開けた。



やっぱり夏はいいなあ。



一本目の缶ビールを、一気に飲み干した。



それから僕は、またリュックを開けて

今度は黒い犬を取り出した。



黄色いエア・ポンプで

シュコッシュコッと

空気を入れてすっかりふくらましてあげると

僕の犬は白い海岸を転がるように駆けだしたんだ。



僕はもう一缶ビールを開けると

口笛を吹いた。

でも犬は、僕のほうを見ようともしない。

波頭にキャンキャンと吠えついては

盛んに砂をほじくり返してる。


たぶん蟹かなんか見つけたんじゃないかな?

なんて思ってたら、犬の空気が抜けて

ぺちゃんこになっちゃった。


蟹だ、きっと。


僕は重い腰をあげると

ぺろんと地面に貼り付いた犬を拾い上げた。

砂をはらって、空気が抜けているところを

調べたけどよくわからない。

これは家に帰ってから補修しなくちゃだめだ。

僕はビールの残りを飲み干した。



それからポップアップ・ビーチを折り畳んだ。

海と白い砂浜と青い空が消えて

埃っぽい路地裏にたたずむ僕。



たたまれたポップアップ・ビーチは

折り目のところから裂けてきててだいぶくたびれかけている。

僕の夏もだいぶくたびれかけている。



犬と海岸をリュックにしまうと

僕は家路についたんだ。



書き割りじみた夕暮れの街を

ゆっくりゆっくりと



歩いて帰ったんだ。

えーっとね・・・(汗
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by midnight_egg | 2005-08-05 16:44 | 散文
NICE AGE
a0034838_1451939.jpg


地球上のいろんな場所で
いろんな人が
同じ月を見上げているんだねぇ。

月もまた
あらゆる場所で
あらゆることを見ていたよ、っていうのが
アンデルセンの「絵のない絵本」なんだけど、
アンデルセンって夜寝るときに
足元に「死んでません」って
メモをいつも置いて寝ていたんだって。
この間トリビアが教えてくれた。
かわいくありません?

違う街に住んで
同じオンガクに心トキメかせて
同じShowを聴いて(?)いた。
まだ知り合っていない女のコたちは
互いにまだにきびだらけだった。

時と場所を一足飛びに飛び越えて
無限の電波の中からあなたとわたしの間を
つないでくれたキセキ。

そのキセキに感謝して
あなたがそこにいる
記念日の今日に。
早く、早くたんぽぽをつかまえなくちゃ!


お誕生日おめでとう


あなたに出会えて
うれしいうれしい。

raphieさんへ


最初に、口紅の味
ウインクの整備士
人形の陶磁器
彼女の遊覧馬車
舌の上のディヴァイン

彼女はaにいます。
良い時代
熟している時代
である準備ができています
スリルで、殺されます。

(by グッジョブEXCITE翻訳)

The taste of first lipstick
The mechanics of a wink
The china of the doll
Divine on her chaise tongue

She's at a
Nice age
Ripe age
Ready to be
Killed by the thrill

(Chris Mosdell/Yukihiro Takahashi/Ryuichi Sakamoto)



・・・整備士はないよなぁ(笑


雑食ってomnivorous feederっていうんだよにTB。
rapieさん、とっても小さい絵なの、はがきより小さい。
住所がわかれば送るのだけど・・・いらないか。


お祝いの参加方法
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by midnight_egg | 2005-06-23 12:50 | 祭りだ祭りだ
ヒカリ
ある日、僕はお城に呼び出された。
王さまが僕にこう言った。
「すぐさまヒカリをつかまえてまいれ」
「もしつかまえてこられなんだら貴様は逆さ磔の刑じゃ」
あんまりだなあ、と僕は思ったけどしかたがないのですぐに旅支度をした。
王さまの言うことに逆らったらどうせその場で逆さ磔の刑になるのだ、どちらにしても。
世の中にはしかたのないことってある。

僕はどんどん歩いた。
このままヒカリをつかまえることができなかったら
国へは帰れないから僕は一生さすらいの旅人になるのかなあ、
とか思いながらもどんどん歩いた。

ヒカリが僕の足下をするすると走る。
いつだってそうなのだ。
ヒカリをつかまえよう、なんて思ったらまずヒカリを見ちゃいけない。
ヒカリは見ようとすればすばやく視界から逃げてしまうからだ。
もし僕が見ようとしなければ、ヒカリは僕の視界のギリギリ外側でじっとしている。
でもチラとでもそちらを見たらヒカリは素早く逃げる。
ヒカリよりも早く動いて先回りしようなんて考えは無駄だ。
だってこの世にヒカリより速いものなんてないんだから。

僕はいろんなことを考えたよ。
深い深い海の底にも潜ってみた。
水の中ではヒカリの動き方が違うかもしれない、と思って。
ところが水の中ではヒカリのやつ、陸の上以上に手に負えなかった。
ああいうのを水を得た魚、っていうんじゃないかな?
水の中ではヒカリはダンスを踊るんだ。
でもリズムがめまぐるしく変わるから、追いかけるのは乾いたところでそうするよりももっと難しかった。
そうこうしているうちにも僕は、発情期のメスのジュゴンに言い寄られて追いかけられたり、
血に飢えたシャチに追いかけられたり、単に僕と競争がしたいカジキマグロに追いかけられたり、
発情期のメスの巨大イカに追いかけられたり、いろいろいろいろ大変な目に遭った。
すっかりボロボロへとへとの僕がどうやって陸に上がったか、なんて聞かないでほしいな。
海から還ってきた僕に寄り添うようについてくる娘のことを知りたい、というのなら言うけど
この娘は僕が個人的な事情で知り合ったとっても個人的な友人だよ。

そうそう、ヒカリの話だ。
僕は高い高い山にも登ってみた。
空気が薄いところではヒカリの動き方も変わるんじゃないかな、と思って。
ヒカリは素晴らしかった。平らなところで見るよりもずっと数段キラキラしてくっきりしていた。
一見、地上にいるときよりも穏やかにゆるやかに動いているように見えたけど、
いざつかまえようとすると、ここではヒカリは上に逃げるんだ。
むなしく宙を掻きながら空を見上げた僕は、眩しくて目を開けていられない。
そうこうしているうちにも、僕は大きな禿げ鷹に雛と間違えられて断崖絶壁の中腹にある巣に連れていかれたり、冬ごもりの前のグリズリーに仔熊と間違われて穴蔵の中で寝かしつけられそうになったり、単に飢えた狼に追っかけられたり、早く僕が死なないかなあ、と待ってるハイエナの群に遠巻きに囲まれたり、いろいろいろいろ大変な目に遭った。
すっかりボロボロへとへとの僕がどうやって下山したか、なんて聞かないでほしいな。
山から還ってきた僕にまだ寄り添うようについてくる娘のことを知りたい、というのなら言うけど
この娘は僕と旅の痛みを分かち合うかけがえのない連れだよ。


僕らは大地に横たわり、満天の星を見上げていた。
きらめく幾億ものヒカリはまるで降ってくるようだった。
また僕らのほうが空高く吸い寄せられていくようでもあった。もちろん錯覚に過ぎないのだけど。
こんなにもヒカリが間近に感じられるのに、相変わらず手の中にヒカリを捕らえることは叶わなかった。
山の頂で上へと逃げていったヒカリたちがあそこで遊んでいるのだろうなあ、と空を思った。
暖を取るための炎はゆらゆらとゆらめき、その周りでも小さなヒカリがゆるやかなダンスを踊っていた。
彼女の瞳をのぞき込むとそこでもヒカリがゆるやかに踊っていた。
僕が彼女に口づけをすると瞳の中のヒカリは逃げた。でもかまわなかった。
彼女さえしっかりと離さなければ、ヒカリなどどこへ行ってしまってもかまわないと思った。


王さまが死んだ。
お城から遠く遠く離れた人の住まない土地に風がその便りを運んできたのだ。
僕は妻を連れてお城へと旅立つ。彼女は腕に赤ん坊を抱いている。

お城に着くと国中の人が集まって盛大なお葬式が行われていた。
広間の中央に祭壇がしつらえられ王さまの棺が安置されていた。
王さまの家来たちが僕をここへ連れてきたのだった。
「見ろ。貴様は間に合わなかった。ヒカリは間に合わなかった」
そうなのだろうか。僕は間に合わなかったのだろうか。

僕は捕らえられ、暗い牢の中に放り込まれた。

ここにはヒカリはほとんど届かなかった。そこかしこにカゲは潜んでいたけれど。
僕はカゲについて考えた。他にすることがなかったからね。
ヒカリについても考えた。もちろん妻と小さな娘のことも考えた。
しかし、それは考えてもしようのないことだった。
僕は二人のことを思うことから逃げるようにまたヒカリについて考えた。
そしてより一層長い長い時間をかけてカゲについて考え続けた。

長い長い時が過ぎて、僕は牢から引きずり出された。
暗い牢から出ていくとたくさんのヒカリがギラギラと乱暴に僕の目を射るのだ。
暗やみの中ですっかり弱ってしまった僕の目には強すぎるヒカリ。
それでも懐かしい、長い間恋い焦がれていたヒカリ。
僕は両の手にヒカリをかき抱こうとした。もちろんヒカリはするりと逃げた。

僕の妻はもう僕の妻ではなくなっていた。彼女は他の男と暮らしていた。
僕の娘はもう赤ん坊ではなくなっていた。彼女は一人の立派な成人女性になっていた。
それはしかたのないことだと思った。僕は彼女たちを守ることができなかったのだし、
あの闇の中で彼女たちのことを考えることすら放棄したのだ。
世の中にはしかたのないことってある。
そう、ヒカリがあれば必ずカゲができるようにそれはしかたのないことなのだ。

ヒカリとカゲは一体なのだ、と僕はふと思った。


僕はヒカリを王さまに届けることはできなかったけれど、逆さ磔の刑ににはされなかった。
僕は家族を得て、それから家族を失った。
結局のところこれまでの人生はこれでイーブンなのかもしれなかった。
誰の人生にもヒカリがあり、カゲがあるのだろう。そしてそれらは恐らく等分なのだ。

ヒカリだけをつかまえることなどできない。
僕はカゲを見ようとせずにヒカリばかりを追いかけてきたから
今そのことの代償を払っているのかもしれない。
ヒカリとカゲを分かつことなど誰にもできないのだ。

王さま? 聞こえたかな?
もういない王さまに向かって心の中で僕はせいいっぱい呼びかけてみる。
もしヒカリを望むのならそれはすなわち、カゲをも飲み下すということに他ならないのだ。
僕は今なら前よりももっと、あの牢の中の闇を愛せるような気がした。
あそこにあれだけ濃いカゲがあったということは
どこかに強いヒカリもまた存在するということなのだろう。

僕は地面から小石を拾い上げ手のひらに乗せてみる。
小石に日の当たっている部分を見つめ、
そしてカゲの部分を見つめた。
僕とこの小石はなんら変わらないのだという気がした。


そのとき背後から
オトウサン、という声がした。
振り返るとそこには僕の娘が、かつて僕と別れたときの娘自身よりやや年かさの、
幼い女の子の手を引いて立っていた。
その女の子が口を開き、たどたどしい発音でこう呼びかける。



オジイチャン。




オジイチャン。

オジイチャン。

オジイチャン。

オジイチャン。


突然、僕の両眸から涙があふれ流れ出す。
とどめようもなくポタポタと。

落ち続けるいくつもの粒、
そのひとつひとつに
とても小さなヒカリがひとつずつ宿っていた。


ヒカリは涙の中で
くるくると陽気に舞い踊っていた。

幾万ものヒカリが
とても陽気に舞い踊っているのを





僕は確かにそこに見たのだ。




ヒカリ

もっとヒカリ
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by midnight_egg | 2005-03-11 22:51 | 散文
聖者の行方を追って
a0034838_189454.gifローマ人の物語 - 外伝 - 聖者の行方を追って

私がその公園のある都市を訪れたのは、ある詩人が百の都市国家を紹介するという大きな祭りがきっかけでした。
その祭りのただ中、とある公園の都市に住む一人の青年が私の小さな街を訪れ、足跡を残してくれました。
この祭りの晩にほとんど来る人のなかった私の小さな街には百近い街道が開通し、私は祭りの熱気の余韻に浮かされながら、翌日から少しずつ街道巡りを始めるようになりました。
その公園に住む青年は、その後もちょくちょくと街道巡りで私の街に立ち寄ってくれるようになりました。
私も彼がいつもいる公園が大好きになり、だんだんと足繁く通うようになりました。
そんな穏やかな交流が続いていたある朝、私がいつものように公園を訪れてみるとそこは閉園されていました。
私は驚きあわてました。自分の街の入口に青年の消息を尋ねる貼り紙を出しました。
何度も門の閉ざされた公園を訪れてみました。ほかの人には見えない伝言を残しました。
そこには他にも見えない伝言がいくつも連なり、まだまだ増えていくようでした。
他の都市国家の者もみな一様に青年の消息を尋ねているに違いありません。
その青年はそれほどまでにたくさんの人に愛されていました。
その見えない伝言の数は最終的には60を越えたほどだったのです。
あとは待つことしかできません。やきもきとするだけの時間が過ぎていきました。
一人の踊り子がいました。
やはり詩人の祭りの夜に私や青年と交流のできたある都市国家の踊り子です。
彼女はあの公園がなくなった日から自らの都市を公園に模し、
いつでも彼が帰ってこれるように、彼が帰ってくるまで
「自分が公園になる」と宣言したのです。
私も感動しましたが、公園の主であった青年の感動は推し量れませんでした。

やがて青年がやってきて「引っ越しをするつもりだ」
という伝言をそっと残してくれました。
そのとき「これまで○○と呼ばれた人はもういないんだけどいるんだよ」
という言葉があり、とてもせつない気持ちになりました。


幾日かが過ぎ、この国に新しく寺院が建立されました。
その寺院の主である青年僧はたいへんに見覚えのある顔でした。
そして自ら一休と名乗り、私のことを母上などと呼ぶのです。
一休という僧は人々の話をたいへんによく聞き、
またそれぞれの都市に的確で心のこもった足跡を残すので
ほどなくその寺院は参詣に訪れる人で溢れかえるようになりました。

その参詣者はどうも女性の比率が高いような気がしてならないのですが
まあたぶん気のせいでしょう。

その僧はよく寺院の入り口の一番下の段に腰掛け歌を歌っていました。
歌っていないときにはよく歌について語っていました。
また、彼は透明感溢れるものがたりを語らせたら天下一品で右に出る者がなく
数多くの者がそのものがたりを聴きに訪れました。
そのものがたりに惹かれてやってくる者には
女性が多いような気がしてならないのですが
まあたぶん気のせいなのでしょう。

a0034838_1821692.jpgいろんな祭りがあるたびに私たちの都市は必ず互いに参加してきたのですが
今回の祭りの内容は、なんとその寺院にあてて恋文をしたためよ、というものでした。
たくさんの女性が彼に恋文をしたためていますが、どれもこれも熱い力作ばかりで、
私にはとても太刀打ちできそうにありません。


私が思わず彼に「モテモテね」と言うと
「えー、やめてくださいよ」と、こうなのです。








モテモテとモチモチって似てるけど
「モチモチね」と言われるのとどちらがいいですか。




「第7回 恋文企画・届けこの想い!」

てんぷら(海賊版)
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by midnight_egg | 2005-01-10 18:03 | 散文
【第6回恋文企画参加】A Tribute to 足草ブンガク

でんどういり!」にて開催中 第6回「恋文企画」に参加


この作品は18禁です。
18歳未満の方はこれ以上読み進めるのはご遠慮ください。

とりあえず、
あしからず。

この作品に登場する人物・妄想はすべて架空の人物・妄想であり、実在の人物・妄想には一切関係ありません。
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by midnight_egg | 2004-11-26 19:15 | 散文
【第5回 恋文企画・届けこの思い】届け! 熱くたぎるこの想い

第5回 恋文企画/届けこの思いに参加。



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拝啓



鋼のような輝きと しなやかな柔らかさを持つ 貴女の躯を。

貴女のその躯を 私のたぎる熱さで 溶ろかせたい。

温かなしずくと化した 貴女の躯は

妖しく輝く 貴女の躯は。

しっかりと大地をつなぎとめ

つなぎ止められた者はもはや

身動きを取ることもかなわない。

つなぎ止められた 私の躯を

電気が駆け巡る。



青白きスパーク。



シナプスとシナプス。

貴女の躯は幾千もの 光の粒と化し

私の内を 満たしていく。

点滅する シグナル。

0と1が 物語を帯びる。

夢幻の 無限の 物語を。



熱く 熱く たぎり

次の瞬間 冷え切った貴女を

一瞬にして 輝きの鈍る貴女を

熱く 熱く 光り輝くときと 等しく

冷えた貴女を 愛している。






2004 10月某日








永遠に貴女のとりこ(こて)となりて



あ、え?
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by midnight_egg | 2004-10-24 22:55 | 散文
あの方と私(わたくし)或いはマグロと台風
もう、かなり昔のことなのですが、
私は自分がブログを始める前から時たま、あるブログをロムっていました。

「アイスバーグ」
なぜか書き手さんのことをそう思い込んでいました。
「iceberg」とでも思っていたのでしょうか。
だいたいイミがわかりません。が、
なんとなくバーボンの中に浮かんでる南極の氷、
のようなものをイメージしていました。
その人が酒好き、ということだけはすでに知っていたのでした。
それになぜか山岳的なイメージが加味されて
(「アイスバーン」という言葉も連想中)
それとなく渋い30〜40代の男性をイメージしておりました。
いや、論理的に説明しろ、と言われも困りますが
思い込み体質とはまあそういうものです。

最初の頃読んだポストは
登山リュックの底からアルミで包んだ黴びた物体が出てきた、とか
レモン・スパゲティに苦しめられた、とかそんな男らしい記事でしたし。

私が初めてコメントを入れたのはその辺りにあったトイレの(いやホントは飛行機の)話でした。
時たま過去記事を遡って読んでいたのですが、
その頃200ポストを達成するというので振り返り企画があり、
一番最初のポストから順に読み始めました。
そしてどうやら書き手さんは女性だったらしい、と気づきあわてました。

最初のポストがなんかVOWネタみたいだったのはナイショにしておいてあげます。
愛犬写真のポストもナイショにしておいてあげます。
で、今更ながらアイスバーグではなくアイスデイという
もう少し繊細なイメージのお名前であることに気付きました。

そのころ、たいへんに短歌に凝っておられて
(今となっては完全に一過性のモノでありましたが)
そう思えばますます女性のように思えてくるのでした。
特に初期の頃の「追憶の展覧会」を読んでますますその意を強くしました。
上司のお墓参りに行かれるお話と、お母さんにこんなことを教える話
実話だと思い込んでいました。

ほかの方のコメント欄でもよく女王と称されてましたし。
ところが、また別のコメント欄ではおにいさん、と呼ばれていたり
男性視点のコメントであったりで、少しまたヘンだな、と思い始めました。
書き手男女二人説、というものが浮上してきたのはこのあたりです。

しかし、だいぶ経ってから機会があり、
ご本人にコメント欄でお尋ねすると「一人で書いています」と
きっぱりお返事をいただきました。
ああ、ではやはり女性なのだ、思いました(なぜか)。
おばあさんのことや、おねえさんと体験した子どもの足音の怪談話などが
叙情的だったからかもしれません。

そして
その後も、時たまジッパーが壊れていたり、パンツのゴムがゆるゆるだったりしても
なかなかおちゃめな女性であると信じてきました。
今よく思い返すと、この辺りは少しムリがあったかもしれません。

最近自ら男性だとおっしゃられたので、頭の中はそのように修正されました。

でも

いまだに

時たま

もしや、と

思っているのです。

一応〆らしくなったのに、まだ続きます。
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by midnight_egg | 2004-10-09 20:18 | 祭りだ祭りだ
【マグロ市祭り-届けこの想い-】猿にラブレター
マグロ市祭り-届けこの想い- 第二回に参加


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マグロ市七夕神話のその先を考える。町1-2-3


猿さま


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猿さま拝


「人生の花道なんてほんの一瞬、糸引きひかれる納豆のように」と猿芝居


「しょせん人はみな、誰かに寄生して生きているようなものさ」とサルノコシカケ


「愛の深さは愛した時間の長さに比例するわけではない」と猿も木から落ちる


「宇宙の吹きだまりにあって我々は卑小な存在かも知れないがその実、宇宙をも内包しているのだ」
とサルガッソー

「永遠の命は未来永劫権力者の欲望、それはただただむなしいものでしかない」と猿田彦


「返すモノはちゃんと返してもらわないとトイチで返してもらうよ」とカエサル


「すべての男が私を通り過ぎていく。しょせん私は足ふきマット」と去るものを追わず


「飲むなら乗るな、乗るなら飲むな、酒持ってこい」とざる


「深遠なこと、それらはすべてグラスの底に隠されている」と猿酒


「深夜プラス1はJR飯田橋駅東口、ミステリ専門書店」とサルトル


「恋は盲目、アバターもエクボ、あ、言っちゃった」と見ざる聞かざる言わざる


「カレーにヒ素を入れたのはカレーで出会った彼に可憐にコクるの失敗したから」
とミザリー聞かざる岩猿


「部屋の中には桃の香りが充満している、なぜならおまえは今が食べ時だからだ」と腐る


「時が溶け出す予感にほのかな戦慄を覚えながらも、私は唇を奪われた」とサルバドール・ダリ


「追う者と追われる者、それはまた、追われる者と追う者でもある」とサルゲッチュ


「あなたに出会えてよかったね、きっと私」とさるお方
















「すべての模倣は文化の始まりである」と猿真似











・・・・おそまつm(_ _)m。



ほんとスキだよ、猿。




マグロ市闇雲町3-2-1

あなたのバナナメロンより

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
*****恋文祭り、届けこの想い*****
お題の相手ブログに向ける、恋するフィクション恋文コンテスト。
そうです、この恋文は、フィクションです!

揺さぶれ、心。
あしらえ、魂。

笑いを取るも良し。
感動を呼ぶも良し。

選考は、お題の相手に決定権を委ねましょう!
優勝者は、次回のブログ指名ができます!!

開催期間: 先着30トラバあるいは掲載から一週間。
審査員: お題ブログの製作担当者
審査方法: お題ブログの製作担当者からの、返信トラバにて決着!
※審査員からの返信依頼は、当座は企画元の悪魔こと、MenCが責任を持って行います。

あくまでも、フィクション恋文という姿勢を崩さないよう、参加者の皆さんは気持ちをしっかりと持って、本気にならないように。

エスカレートして、ストーキングに走らないよう、超気をつけて下さい。暴走は厳禁です!!

※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

祭り場: 近海マグロに焼きをいれる
*****マグロ市祭り、恋文コンテスト*****
第一回:お題第一回お相手 乙女ちゃん
第一回集計結果

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※ 主催者となりました優勝者の方は、ヨコの会お題 「ファンです!トラバ」 との、コラボの為に、まずは最初のお題投稿を、
http://yokoyoko.exblog.jp/tb/626709
まで、トラバしてください。

※ 参加者は、普通にお題のブログ向けに、想いを込めた「恋文」を創作して、普通にトラバを、主催者の記事に投稿して下さい。

※後は、お題ブログの製作担当者が返答トラバしてくれるのを、みんなで待ちましょう^^。

企画元:ダーサの遊園地
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by midnight_egg | 2004-07-18 10:04 | 祭りだ祭りだ
【ビバ! 褒め殺し祭に参加】迂闊でした
第10独立小隊Jub up Family ・やみくもバナナメロン方面部隊
セルNO・073、暗号名・踊る猛牛です。

ブロガー互助連盟「ヨコの会」より初のお題でございます。
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私迂闊でした。
今からご紹介しようとしている【激短ミステリィ】
私ったら、昨日までリンクしていなかったんですよ。

密室、見立て連続殺人、ダイイング・メッセージ、
意外な動機、取調室の会話、名探偵が推理を語るシーン、などなど。
ミステリ好きなら思わずニヤリとしてしまうネタを
ボケで料理したショート・ショート・ミステリ集。
1ポスト、1ショートで昨日(7/10)までに57話分が掲載されています。

探偵X、魔法探偵・張井呆太、やたら長い超大作ばかり書くミステリ作家、
書かざる大物作家、などブログ内キャラクターも魅力爆発。
中でも特筆すべき大物は、内容よりも作品の提供方法に重点を置き、
アバンギャルドな挑戦をし続けるミステリ(?)作家・上清水一三六でしょう。

と、いうわけで私、昨日までリンクしていませんでした。
初訪問ではなかったのにもかかわらず。
第54話・取調室2を読んで、なぜ今までリンクしなかったのかと
がくりとひざをつく思いが致しました。
そして遡ること数編。なんたることでしょう!
次から次へと繰り出される珠玉の短編たちには!

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コメント(0)の大行進。
もったいないいいいいいいい〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
まさかほとんど誰も読んでないんかい!?

私、昨日までの自分の迂闊さの罪滅ぼしに。
本日、【激短ミステリィ】の全記事を読破して
コメントのないポストには
すべてコメントを入れてきました!!!!

さあ、あなたも早く。
ご自分の迂闊さを呪いなさい。
【激短ミステリィ】を見逃していたご自分の迂闊さを。

最初のポストはココ↓ですから。
第1話・コシアンルーレット
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by midnight_egg | 2004-07-11 23:29 | ヨコの会