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春宵
MS.POKERFACEで開催中の第3回TBでボケましょうに参加。


第3回お題
「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」



んわんわんわんわん・・・。
頭の中でわんわんいう音が反響している。誰かがわたしの頭を左右に揺さぶり続けてるみたい。
やめれー。やめてくれー。薄目を開けてみる。光の帯の中で埃がきらきら踊ってる。眩しくて目がよく見えない。目を半眼にしたまま、こんこんと考えてみる。こんなこと滅多にないんだけど。飲み過ぎたのかなー。

いやいや。このわたしに限ってそんなことは。えーっと、まず乾杯は定番の缶ビールで。年に一度の花見だもん。発泡酒なんかじゃやってらんない。ちゃんとプレミアムモルツ奮発して。これは確かだ。しかし、プレミアムモルツのどこらへんがプレミアム? WBCのCがクラシックなのと同じくらいわからない。縦ロールの白いかつらかぶった人たちが野球やってる、みたいなビジュアルイメージになっちゃっうのよね、ワールド・ベースボール・クラシック。個人的に。

んで、二杯目はなんだったっけ? あれ? やばっ。もう思い出せない。つい昨日のことだよ、昨日。この分じゃただ今の脳年齢、98歳ぐらいだわ、わたし。えーっと、えーっと。誰かが持ってきた白ワイン、あれは甘すぎたよねー。んー? 二杯目がワインってことはないよね。私の中でずっと話題沸騰だった「氷結ゆず」に行こうとしたら全部「氷結グレープフルーツ」だったんだっけ。あり得ない。1ダース全部、グレープフルーツ。まあ、いいやって飲んだけどね、飲み慣れた氷結グレープフルーツを1ダース。ワンカップの中に桜の花びらが一枚、浮いていたのを覚えてる。あれはワインの前だっけ? あとだっけ? 風が急に強くなって、すごく寒くなってきたんだ。そして隣にいた、隣にいた・・・あれ? 隣にいたのは誰だっけ?

うだうだ考えているうちに大分、目が慣れてきた。
・・・って、あれ?
ここ、わたしの部屋じゃない!?

すっと、一気に酔いが引いていく気がした。
と、そのとき。
わたしの名前を呼ぶ声がした。

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


まんねーなー、おい。うえー、気持ち悪い。宿酔いなんて何年ぶりだ? 飲み過ぎだってば。酔い潰すつもりが酔い潰されてどうするんだって。ざるだよ、ざる。生きたざる。自称ざるを名乗る人間ってのはこれまでも会った気はするけど、オレが本当にざるだと思ったのはこの女が生涯お初、ファースト・コンタクト・オブ・ざる。文法違う? 気にすんなって、オレがエーゴ、ペラペラだったらそれこそ意外でしょが。キレーなお姉さんだなー、と思って隣に座ったのが運のツキってヤツっすかね。キレーな月だったっすけどね、昨日は。いやね、こうして今、朝の光で寝顔見ててもそれなりにキレーっすよ、お姉さんも。でもよー。なんとかお部屋にお持ち帰りしたところで護身術が炸裂するとは。殺す気か? この女。殺されるかと思ったよー、こえーよー。んで、またオールで酒盛りッスか? 殺す気か?  ラブホでなくて夜景のキレーなお部屋を奮発したっつーに夜景なんか必要ないでしょ、この女。C2H5OH、つまるところ飲料アルコールさえあればよかったわけでしょ? あ、すげー、学あるとこ見せちゃったかな、オレ。C2H5OH。仕込んだのよ、仕込みですって。花見でキレーなお姉さん口説くためにさ、化学式なんぞ仕込んどいたのよ。ご披露する段で呂律が怪しくなって噛み噛みになったのは我ながらご愛敬よ。でさ、オレ今、冷蔵庫見て顔色が冷蔵庫より白ーくなっちゃたのよ。C2H5OH、空ですから。すっからかん。ゼロ。無。なーんにもなし。エーンプティ。

これの支払いどーすんだよー、オイ。
おい、起きろ! とオレが女の名前を呼んだそのとき、

「オレの名前を呼ぶのは、 だれだ?」

つれいいたしました。
わたくしはピンクの象です。
象と申しましても、このように体長は5センチくらいでございますね。
今からわたくしと愉快な5センチの仲間たちがピンクの象のパレードをご覧に入れます。
高さこそ5センチですが、長さは3メートルの大パレードでございますよ。
わたくしのことは隊長とお呼びくださいませ、体長5センチの隊長と。
わたくしただいま体調崩しておりまして隊長だけに。
でもご安心ください、わたくしどもには彼女がおりますだけに。
あれに見えますピンクの象、あれが我らがプリマドンナでして、
彼女のことはピンクの象とお呼びください。
それではジェントルマン(単数形)、我らがピンクの象を盛大な拍手でお迎えください!
と、このピンクの象的もっとも大事な局面に

「わたくしの名前を呼ぶのは、 だれです?」


ってるところわるいけどー。ちょっと静かにしてくんないかなー?
象だかショーだか知らないけれどー。ピンクだかビンゴだか知らないけどー。
今、朝だから。あたしはこれから休むのよー?
ショータイムはもーおしまーい。やるんなら深夜にして頂戴、深夜に。
あたしはさ、夜の女だからー。
あたしもねー、塩さえ撒かれなければ明るくたってなーんのこたないのよおー、ほんとは。
でもねー、ちゃんと休みたいのよねー。24時間営業なんてゴメン被るのよねー。
霊は霊なりにねー、お肌にも気を使ってみたり。
文字通りね、透けるような透明感溢れるお肌ってのを維持するためにねー。
必要なのよー、それなりに休息がー。このお部屋の専属霊としてね、
磨かれた自分を維持していくってね、それなりに大変なワケー。
なあんてあたしがあたしの職業倫理をご開陳遊ばしてたら
あたしのお腹を通過(失礼しちゃう)していく声がした。

「あたしの名前を呼ぶのは、 だあれ?」


、なんだー?
なんかいるー。
ぶんぶん。いーにおい。いーにおい。ぶんぶん。
ごちそう、ごちそう。すりすり。
あ、いま、通ったとこやな感じー。
ヒヤっとしたー。なんかいるー。
やな感じ、やな感じ、ぶんぶん。
お外。このへやの中、やな感じー、お外いこ。
お外だ。あれ?

「名前、呼ぶの、 だれ?」


見ろよ、前(笑
くっくっくっく。いっただきまーす。くっくっくっ。
まっすぐ突っ込んでくるたー。
くるっくー。ごっそさん。くっくっくっく。その時

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


をををを。
鳩よ、鳩よ!
おまえがそのくちばしに銜えている小枝を。
その小枝をわたしの手に! と、わたしが天に手をさしのべたそのとき、

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれだ?」


ブの書でーす、こんにちは。いや、なんで? とか聞かなーい。
強いて言えばだいぶ面倒になってきた、とか、そんな感じー?
え? 面倒って誰が? やだなー、突っ込まない、そこ突っ込まない。
突っ込むんだったらアレだけにして。硬くて柔らかくて太くて長いアレ。
そうそう、十分にたぎっているあたしの中に一気に突っ込んじゃってほしいの。
あ、やだ興奮してきちゃった。・・・突っ込んでくれる? 
あ、待って。あたしが沸騰するまで・・・待って・・・ん・・・ダメ、まだ・・・あ・・・
あ、もうすぐだから、待って、あ・・・まだ、待って・・・ん・・・ん・・・ん?

「あたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


ー、ちょっとぉ! 鍋!
鍋、火、かけっぱなしだよぉ? 火事になるよぉ?
家事は人に押しつけといて、ご自分は火事の仕掛け人ってわけですか?
と、怒り心頭、イヤミのひとつも言ってみたりしたのは、
だって鍋を火にかけたご本人がどこにも見当たらないからだ。
煙草でも買いに出ちゃったんだろうか? まったく・・・
と、そのときトントントン、とノックの音が。

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


ックとはまた古風ではアリマセンカ。
しょうがないでしょう。壊れてるんですよ、この部屋のインタフォン。
トントントン、入れてください。鍵持たないで出ちゃった。
つか、今どきオートロックもない木造アパートにお住まいなわけで、
おまけにインタフォンも壊れちゃっててもう真実古風なワケっすよ。
せっかくの手動ロックなんだから。わざわざマニュアルで鍵かけないでくださいよー、中から。
ものの5分じゃないデスカ。開けとけよ。って、これがほんとのノックアウト。
って、言ってることまで古風になっちゃいましたヨ、と。
クラシカル・ギャグ。てかアンティーク・ギャグ。
とかなんとかこんな具合に一人遊びが上手な私を背後から呼ぶ声がして。

「私の名前を呼ぶのは、 だれ?」


、はっくしょん! おお。今日はうまいこと充満していけそうな予感がする。
となりのご主人ったら、また閉め出されてる。学習能力ってものがないのかしら?
まあ、だいぶ暖かくなってきたからいいようなものの。
はっくしょん! はっくしょん!
おお。いい感じで・・・ほうぼうで。
・・・充満するのが目的なのかな? わたし。

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


、、ただ一人、軌道に乗って。まわり続ける。まわりながら
観測カメラが感じたデータをひとつひとつ、アウトプットしていく、
気温、湿度、地表温。 スギ花粉の飛翔量が上昇する季節。
花粉、とそっと呼んでみた。それが何なのかその実体も知らずにわたしは。
そして、また地球の自転に同期して何も知らずにただ観測し続ける。

わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


いち、とわたしは思った。
空、とわたしは思った。
雲、と思って太陽、と思って、
ひゅーと駆け抜けた。
空気とわたしは思って、わたしは空気だと思って
また駆けた。とわたしを呼んでいる声がする。

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


ッツゴー! 風が来た。強い風が吹いてきた。さあいよいよ、わたしの番でしょう? そう思った次の一吹きで、わたしの足はガクから引き剥がされ遠く枝を離れてぐんぐんと上昇する。くるくるくるくるとわたしは上に下に舞い踊った。

くるくると自在に躯がまわるのだ。素敵だ。

わたしとわたしの仲間たちはくるくると踊る。踊り狂う。夜目にちろちろと白く光りながら。花冷え、花寒、花嵐。祭りが来る。春の嵐がくる。わたしたちは綺麗。見る者を狂わし、惑い、酔わせるほどに、綺麗。狂おしく光り、降り注ぐ。さあ、わたしたちをご覧、わたしたちを思う存分。酔いしれて。酔いしれて。ふっと風がやんだ、その刹那

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」


 あ、花びら?
水の表面が「みなも」なら、酒の表面はなんて呼べばいいんだろう?
「さかも」?
ワンカップの水面に浮かぶ白い花びら。
花びらに寄り添うように映るは月。
月がゆらりと揺らめいて、わたしはクッと月を飲み干した。

「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」




月が

ゆらりと


わたしに尋ねた。









■□■□■□■【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■
【ルール】
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 審査は1つのお題に対し32トラバつく、もしくはお題投稿から48時間後に
 お題を出した人が独断で判断しチャンピオン(大賞)を決めます。
 チャンピオンになった人は発表の記事にトラバして次のお題を投稿します。
 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)、
 同一人物が複数のブログで1つのお題に同時参加するのは不可とします。

 企画終了条件は
 全10回終了後、もしくは企画者が終了宣言をした時です。

 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてボケまくって下さい。

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 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
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長いよ・・・orz
by midnight_egg | 2006-04-10 12:04 | トラバでボケましょう


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